子育ても終わり、住まいに目を向けたときに、リフォームを考え始める人もいるでしょう。築年数が古い家は、断熱性が悪く、夏は暑く冬は寒いという問題がある可能性があります。
また、屋根や外壁はさびやひび割れなどで雨漏りが発生するかもしれません。家族の年齢が変わり生活に変化があると、交通や買い物の事情なども変わります。
そのため、老後になっても長い間住める家にリフォームする必要も生じることがあります。この記事では、老後のリフォームで考えるべきポイントや注意点について紹介します。
老後はリフォームか建て替えか
住まいが古くなったときには、通常はリフォームか建て替えの2つから選べます。リフォームとは、古い建物をそのままにしつつ内外装などを取り換える工事です。
柱と基礎だけを残し、間取りまで新しくして、断熱材やサッシも取り換える大がかりなリフォームから、水回りだけを交換したり、内装や外装を張り替えたりするなど部分的なリフォームまで、目的や予算に応じて選べます。
敷地の面積が狭い住宅では、建て替えができないためにリフォームを行うケースもあります。法律の定めにより、新築の許可が下りない物件もあります。
一方で建て替えは、古い家を解体して新しく建て直すことです。一度更地に戻してから新しく建築するので、家族や生活スタイルに合わせて、自由に変更できます。毎日変化している住宅性能を取り入れることで、住まいの耐久性を高めることも可能です。
老後のリフォームは大切
老後に安心して快適な生活をするには、家をリフォームすると良いでしょう。老後のためのリフォームは、以下の理由で重要です。
体力が衰える
老後を考えたリフォームの目的は、段差によるつまずきをなくすことや、高齢者が自分で行動しやすい環境に整えること、介護しやすくすることなどが挙げられます。
年を重ねて体力や運動機能が衰えていくと、安心して暮らすためには、老後のリフォームが必要になります。日本では高齢者の事故の約5割以上が、家の中での転倒です。
今は問題なく生活できても、さらに年を重ねて運動機能が低下していくと、今の家が安全に暮らせる環境であるかどうかはわかりません。古い住宅はバリアフリー化されていないため、段差が多くつまずきやすい傾向があります。
また廊下やトイレの幅が狭く車いすを使うのが困難な場合もあります。高齢になって体力が衰えてからも、生活しやすい環境を維持するためには、バリアフリー化をしておくと良いでしょう。
建物の老朽化を防ぐ
住宅の老朽化を防ぐためにも、老後のリフォームは大切です。通常は木造住宅の耐用年数は22年です。新築で建てた家であっても、定年退職する頃には耐用年数を大きく上回っていることは珍しくありません。
老朽化した家は、美観や快適性を損なうだけではなく、生活が難しくなり住む人の安全に影響を与えるおそれがあります。一例として、外壁や屋根の塗装をせずに放っておくと、雨漏りが発生する場合があります。
また、古い耐震基準で建築された住宅であったり、シロアリの害虫被害が発生したりするなど、住宅に不具合が見つかった場合はすぐに直す必要があります。
リフォームを行わないと、地震が発生したときに予想以上の被害が出るかもしれません。住み慣れた住宅で安心して長く暮らすためには、老後のリフォームが欠かせません。
老後の生活に応じた部屋割りにする
老後の生活に応じて間取りを作り変えることも大切です。一例として、50代後半になると子どもの就職や結婚などで、生活のスタイルが変わる場合が多いです。
これまで子どもが使っていた部屋を誰も使わなくなることもあるでしょう。もちろん、子どもが家に帰ってきたときにその部屋を使うこともできますが、老後の自分たちのために活用することも大切です。
子どもの部屋がほかの部屋と隣り合わせの間取りの場合、間の壁をなくせば、広いスペースが取れます。定年退職してから、自分の趣味用の部屋として作り変えても良いでしょう。
これまで複数人で生活していた住宅を、夫婦2人や単身の住宅へとリフォームする工事は、老後を過ごすための準備として大切です。数年経つと、結婚した子どもが同居する可能性もあります。
その場合には、同じ家で暮らしながらも、互いの生活に干渉しない、二世帯住宅へとリフォームすると良いでしょう。
快適なスペースに作り変える
住宅のスペースを快適にするためにも、リフォームは欠かせません。年を重ねると暑さや寒さに弱くなり、風邪から肺炎を引き起こすリスクも高まるので、少しでも快適に暮らせるスペースが必要です。
一例として窓ガラスを二重にして、外からの暑さや寒さを遮り、空調システムを取り付けることで、部屋の寒暖差をなくせます。家の中で過ごす時間が増えることを想定して、光の角度を調整することもできます。
さらに、経済面や環境面を考え、また火事のリスクを減らすためにも、再生可能エネルギーの利用も検討すると良いでしょう。定年退職後は自宅で過ごす時間が増えるので、早いうちからリフォームを行うと良いでしょう。
老後のリフォームの準備をする
老後のためにリフォームを考えることは非常に重要です。年を重ねると体力や体の機能が衰えるので、自宅で転んだりヒートショックが起きたりしやすくなります。
若い頃は気にならない程度の小さな段差でも、年を重ねてくると、転びやすくなります。また、家に長く住み続けていれば、建物や設備が古くなり事故が起きやすくなります。家庭で起きる事故を防ぐためには、リフォームして安全面を強化することが大切です。
若いときから同じ家で暮らしていると、自分が年を重ねるほど住宅も不具合が出てきます。建物が古くなると事故が起きる確率が上がるだけではなく、日常生活にも影響が出るおそれがあります。
老後も快適な生活を送るためには、改修工事をする必要があります。また、住宅が古くなると、地震や台風が起きたときに被害を受けます。住宅の安全性を高め、停電したときに蓄電池を使えるようにするなどの工事も必要です。