住宅のリフォームを考えている人で、床を変えたいと思う人もいるでしょう。床で部屋全体のイメージが変わるので、自分の希望に合わせて床材をリフォームするときには、どのような種類があるのかを理解しておくことが重要です。
この記事では床の種類や、リフォームのポイントについて紹介します。
リフォームで使用する床の種類について
床にはいろいろなタイプがあるので、素材の特徴について理解しておきましょう。
一番簡単にリフォームできるのがクッションフロアです。クッションフロアは塩化ビニールで作られた製品で、大理石や木目、タイルなどの柄が印刷されているので、まったく違う素材に見えます。
クッションフロアは、手入れがしやすく、水をこぼしたり汚れがついたりしたときでも簡単に拭き取れます。一方で、表面が柔らかいため傷がつきやすく、熱に弱いという難点もあります。クッションフロアの上に重い物を置くと跡が残り、僅かな熱で溶けてしまうので注意が必要です。
フローリングには、木材を加工した製品や、自然の木を使った製品があり、広く普及しています。表面が滑りにくく加工されたフローリングや、防音性に優れた製品など、品ぞろえが豊富な点も強みです。
フローリングは高級感があり、手入れがしやすく、掃除も簡単にできるのでダニやカビの心配が少ないです。また自然の木を使用すれば、独特の温かみを感じることができます。
一方で、値段が高く傷が付きやすいという問題もあります。さらに水にも弱いので、ジュースがこぼれたときには、すぐに拭き取ることが大切です。
畳は日本人が古くから使用してきた床材で、い草を原料に作られています。自然な柔らかさがあり、和の心を感じさせ、部屋の湿度も適正に保ってくれます。
しかし、天日干しをしたり、数年に1回は張り替えを行ったりする必要があり、メンテナンスにかける金額と手間を懸念する人もいます。
床をフローリングにリフォームすることのメリット
床材のなかでも広く普及しているフローリング。フローリングには、複合フローリングと無垢フローリングの2つの種類があります。また床をフローリングにリフォームすることには、メリットとデメリットがあります。
フローリングは、カーペットや畳のようにほこりや汚れが素材に入り込まないので、掃除や手入れがしやすいという特徴があります。床に水をこぼしてしまったり、子どものこぼした食べカスで床が汚れたりしたときでも、掃除が簡単にできることは嬉しい特徴です。
畳やカーペットは、ほこりや汚れを完全に除去することは簡単にはできません。ダニや害虫が繁殖しやすい床材といえますが、フローリングはメンテナンスがしやすく、床をきれいな状態に保ち、ダニが発生しにくい環境を維持できます。
また複合フローリングは、丈夫で傷や摩擦にも強いので耐久性が高いことがメリットです。一方の無垢フローリングは、定期的にワックスを塗る必要がありますが、畳のように表面を張り替えるほどの大がかりな作業は必要ありません。
フローリングへのリフォームを考えるとき
ダニやハウスダストなどが引き起こすアレルギーで苦しんでいる人は、床を畳やカーペットからフローリングにリフォームすると、アレルギーの発生を抑えられます。
また子どもが小さい家庭では、食べこぼしがあっても、フローリングの床なら後処理が簡単にできます。家族が集まりお客さんも来るリビングやダイニングの床をフローリングにリフォームする人が多いことも理解できるでしょう。
さらに、和室から洋室へリフォームするときでも、床を変えれば印象も変わるので、畳からフローリングに張り替える工事は重要です。
複合フローリングと無垢フローリングの違い
近年広く普及しているのが複合フローリングです。無垢フローリングは、自然の木材で製造されることに対し、下地材にいくつもの板を張り合わせて作られた製品が複合フローリングです。下地材には合板や集成材、単板積層材などが使用されます。
近年では自然の木材の代わりに、化粧シートと呼ばれる印刷した樹脂などを使用する場合もあり、自然の木と遜色ない質の製品もあります。複合フローリングは無垢フローリングと比べると、金額が安くメンテナンスも簡単にできますが、表面が寒く冷たいと感じる人もいます。
無垢フローリングとは、自然の木材を床材として加工したものです。切り出された木をそのまま使っているので、木の持つ自然な温かみを重視したい人がリフォームで使用する床材です。自然の木の肌触りや質感を味わえるだけではなく、時間が経つと風合いが変わってくることも無垢フローリングの特徴です。
ただし、値段が比較的高いので、一般住宅にはあまり普及しておらず、木にこだわりたい人に愛されています。
床をフローリングにリフォームすることのデメリット
フローリングへリフォームするときには、デメリットについても理解しておくと良いでしょう。
無垢フローリングは自然の木をそのまま使用している床なので、自然な味わいがある反面、時間が経つと木が収縮し隙間ができるという難点もあります。また傷がつきやすいので常にメンテナンスが必要になります。
複合フローリングはメンテナンスが簡単ではあるものの、表面が硬く冷たいというデメリットもあります。冬場にはフローリングの上にカーペットを敷くなどの対策が大切です。
また畳やカーペットと比べると、表面が滑りやすいので、子どもが小さいときに、転んで頭を打つなどの問題もあります。そのため赤ちゃんや幼児がいる家庭では、よく歩く場所にクッションフロアやカーペットを敷くなどの工夫をすると良いでしょう。
フローリングのリフォームでかかる費用の目安
床のリフォームは、どのような床材を使うか、既存の床材の種類によってもリフォームでかかる金額が異なります。
通常は無垢フローリングよりも複合フローリングのほうが金額が安く、約2万円から10万円ほどの差が出ます。
カーペットやクッションフロアをフローリングに変える工事では、床を剥がしやすいので費用が安く、6畳の部屋は約8万円から17万円ほどが相場です。反対に畳からフローリングに変える場合は、下地の工事を行うので約15万円から25万円ほどの費用が必要です。