仕事が忙しく外に洗濯物を干す時間のない人や、梅雨や台風の時期、花粉の季節など部屋干しをしないといけない場面で、頼りになるのが浴室乾燥機です。
浴室乾燥機があれば、寒い冬でもリビングとの温度差を無くし、ヒートショックの対策にも効果を発揮します。
それで浴室乾燥機を現在の風呂場にあとから付けたい、という思う人も多いようです。
この記事ではリフォーム工事で浴室乾燥機を取り付けるときの、ポイントや注意点について紹介しています。
リフォームで浴室乾燥機をあとから付けることは可能か
浴室乾燥機はあとから取り付けられる場合と出来ない場合があります。あとから取り付けるのは大変なので、工事の前にはリフォーム業者による調査が必要です。
通常は家の風呂場に換気扇がないときには、あとから取り付けるのは難しいでしょう。また、ユニットバスの天井裏に浴室乾燥機を設置できるスペースがないときにも、取り付けを断念しましょう。
さらに照明や点検口の位置のために浴室乾燥機を設置できる場所が取れない状況でも、リフォームであと付けすることができません。
これらに該当しなければ、基本的にはリフォームで設置が出来ますが、作業中に予期せぬ問題が起きることがあるので、必ずリフォーム業者による調査を依頼しましょう。
あとから設置できる浴室乾燥機はどのような物か
浴室乾燥機をあとから取り付けるときには、前もって確認しておくべき要素があります。
例えば、浴室乾燥機には電気式とガス式の二種類があります。
電気式
電気式の浴室乾燥機は、ヒーター式とヒートポンプ式の二種類に分かれます。
ヒーター式は、本体の中にあるヒーターの温度を上げて温かい風を送り出す構造です。取り付けが簡単で値段も安いのが特徴ですが、ほかのタイプと比較すると乾燥や暖房の力が若干劣ります。
一方でヒートポンプ式は、外の空気を圧縮させ膨張することで温度を高め、温かい風を送り出す構造です。ヒーター式と比較すると、省エネ効果が抜群です。
ガス式
ガス式は、熱源機で作られた温度の高い水を行巡らせて、温かい風を送り出す構造です。現在熱源機が取り付けられていない家に、リフォームでガス式の浴室乾燥機を設置するときには、給湯器から熱源機へ変えなければなりません。
また、熱源機から浴室乾燥機までの配管を設置して、温度が高い水が行巡るような配管の工事も必要です。
現在温水式の浴室乾燥機を使っていない家への設置はおすすめしません。
ガス式は暖房や乾燥に必要な時間はほかのタイプに比べると短く、乾燥の力も高いのですが、電気代に加えてガス代が必要なことも理解しておきましょう。
リフォームするときの取り付け方について
浴室乾燥機には、天井埋め込み式と、壁付け式、天井取り付け式の三種類があります。
中でもメジャーなのが天井埋め込み式で、機体を天井裏に埋め込んで取り付けます。
具体的には天井に長方形の穴を開けて、モーターを埋め込み据え付けます。
さっぱりとした送風口や、天井と平になるように取り付ければ、圧迫感を与えません。
もし現在、天井に換気扇が埋め込まれているときには、元の穴をそのまま利用できる商品や、これまでよりも大きな商品を設置すると良いでしょう。
壁付け式は家庭用のエアコンのように、壁の高い場所へ取り付けます。
しかし壁の中に埋め込むわけではないので、どうしても圧迫感が出てしまいます。
設置場所の関係や金額の面で、天井に設置出来ないケースでは、壁付け式の商品を選ぶ方が多いようです。
ただし、排気経路が維持できない状況では、設置出来ないこともあります。
通常の住宅で換気扇が必要な部屋は風呂場、脱衣所、トイレ、キッチンの四部屋です。
キッチンは油を使うので、換気扇フードも一緒に取り付けますが、そのほかの部屋では一つのモーターで連動させて使うこともあります。
リフォームで浴室乾燥機を取り付けるときの注意点
あとから設置するリフォーム工事では、作業中や作業後の問題を避けるためにも、前もってチェックしておくべき点があります。
穴の大きさ
換気扇や浴室乾燥機は、天井に埋め込んで取り付けるので、大きさに合わせた穴が必要です。
これまでの換気扇から交換する場合には、既存の穴を使用して新しい製品を取り付けるため、穴よりも小さい製品を選ぶと据え付けることができません。
そこで、現在設置している換気扇の穴と同じ大きさかそれよりも大きい製品を選ばなければなりません。
乾燥機のメーカーや性能にこだわって現在よりも小さな製品を取り付けると、天井から換えなければならない場合もあるので注意しましょう。
周りのスペース
作業を始める前に、周りに干渉するものがないかを確認しておきましょう。
一般的に浴室乾燥機は、送風口を洗い場の方向にして、本体は浴槽の上へ設置します。しかし、浴槽の上に点検口や照明がすでにあるときには、浴室乾燥機を浴槽の上に取り付けられない場合もあります。
また、浴室の端に梁がある環境では、本体を取り付けるスペースがあるかをチェックすることが重要です。さらに天井が分かれている造りでは、継ぎ目をまたいで設置することはできません。
最近のユニットバスは大きな物が多いので、浴槽と洗い場で天井が二つに分かれているタイプもあります。
そして、一度リフォームをした浴室は、さほど大きくないユニットバスでも天井が二つに分かれていることもあります。
工事の前には浴室の周りの干渉物と一緒に、天井に継ぎ目がないかもチェックしておきましょう。
電源
既存の換気扇から浴室乾燥機へ換えるときには、電気の工事をしなければなりません。
例えば浴室乾燥機は独立の電源を使うので、ブレーカーから直に電源を引きますが、空きがないときにはブレーカーを増やす工事をしなければなりません。電源の工事が終わったら、リモコンやスイッチの配線も行う必要があります。
リモコンやスイッチなど、操作する場所が一箇所であれば、配線は難しくありませんが、トイレにタイマースイッチが取り付けられている場合には、複雑な工事をしなければなりません。
そのほかにも、配管とファンが繋がるタイプの浴室乾燥機では、複雑な配線工事が必要になるので、経験豊富なリフォーム業者に頼むことをおすすめします。